【第2話】夫の弁護士からの内容証明郵便、突きつけられた離婚の現実|離婚体験記

夫が家を出て行ってから、1か月が経とうとしていました。
私はただ、彼が「ごめん、帰るようにする」と言った言葉を信じて、待つことしかできませんでした。
妊娠8か月のお腹と共に孤独と不安が日増しに大きくなっていく日々でした。
その間も夫には何度か連絡を試みていました。
初めのうちは短い返信がありましたが、やがてそれもなくなり、電話もLINEも完全に無視されるようになりました。
そんな中、エコー写真をもらった日のことです。
画面にはっきりと、顔を上に向けている我が子の姿が写っていました。
「こんなにくっきり顔が写ってるよ」「待ってるからね」とメッセージに添えて、夫に送りましたがら既読がついただけで、返事はありませんでした。
その日、仕事から帰る道すがら、私は「このまま本当に一人になるのだろうか」、「もしそうなったら子供をどう育てたらいいのだろうか」と胸が張り裂けそうなほどの大きな不安に襲われました。
どんなに辛くても、この先のことを考えると仕事を休むことはできず、寝不足と体調不良の中、なんとか仕事に向かう日々。
今思うと仕事をしているときのほうが夫のことを忘れられてよかったのかもしれません。
それから数日経ったある日、マンションのエントランスで、郵便配達員の方とすれ違ったときのことです。
なぜか「私宛に何か不穏なものが届いている」と直感が働き、思わず声をかけました。
すると、郵便配達員の方が不在だったので持ち帰る予定だったが内容証明郵便がきていると。
その場で受け取ったのは、見慣れない法律事務所の名前が書かれた、内容証明郵便でした。 封筒を開ける前から、夫が弁護士を依頼したこと、そしてこれが一時的な家出などではないことを、私は本能的に悟っていました。
書面には、夫からの離婚要求と、信じられない条件が淡々と記されていました。
私は、これから始まる「離婚」という名の、孤独な戦いを、突然突きつけられたのです。
第3話へ続く